北米向けのクエストや、プレサージュとの統合により、駆動方式がFRからDプラットフォームを用いたFFと4WD(オールモード4X4)になることで低床化と全高の抑制が図られ、車内が広くなり、乗り心地が向上した。ボディサイズは先代と比べ、全長と全幅が80 mmと35 mmそれぞれ拡大され、全高とフロア高は、95 mm、129 mmと、それぞれ低められた。エンジンはV6・2.5 L(VQ25DE)を廃止し、新たに直4・2.5 LのQR25DEとV6・3.5 LのVQ35DEの2本立てで、いずれにもエクストロニックCVTが組み合わされる。3.5 L車は国産のハイブリッドを除くCVT車としては初の280馬力の大台を達成した。なお、本モデルより生産が日産車体から、その子会社の日産車体九州に移管され、クエストとともに混流生産される。
外観は2005年の第39回東京モーターショーで出品されたコンセプトカー「アメニオ」がルーツである。低床化によって2009年8月に廃止されたプレサージュに近いプロポーションへと変化しつつも、2段式ヘッドランプや大型フロントグリル、横一文字のリアコンビランプとガーニッシュなどに代表されるように、一目で「エルグランド」とわかるスタイリングとなっている。ボディカラーは「250XG」と「ハイウェイスター」系で設定できるボディカラーが異なり、フルモデルチェンジ当初は5色のうち、全グレードで選択できる共通カラーが3色(うち、オプションカラー2色)、シエルブロンドメタリックは「250XG」専用色、オーロラモーヴマルチフレックスカラー(オプションカラー)が「ハイウェイスター」系専用色であった。
装備についてはいずれも世界初となる中折れ機能つきキャプテンコンフォータブルシート(7人乗り・2列目)、11インチワイドリヤモニター、ドアノブ上のボタンに軽く触れるだけで開閉可能なワンタッチオートスライドドア(3.5 Lは両側電動、2.5 Lは助手席側のみ電動で運転席側はメーカーオプション)を採用する一方、サイド&カーテンエアバッグ、フロント遮音ガラスやブザー機能つきタイヤ空気圧警報システムや定員分のヘッドレスト・3点式シートベルトを全車に標準装備とし、「ハイウェイスタープレミアム」は3列目シートを電動格納式にするなどにより、快適性能や利便性、安全性を大きく向上させている。上述のとおり、フロアにはDプラットフォームを採用するが、同じDプラットフォーム採用車のティアナやムラーノと比べるとホイールベースやパッケージングが大幅に異なるため、フロアパネルに「フロアビード形状」を採用し、静粛性と剛性を向上。また、リヤの剛性を高めるためにスペアタイヤを廃し(代わりにパンク修理キットを装備)、その空間を生かしてリヤクロスメンバーをストレート形状とした(室内側にはラゲッジアンダーボックスを設置している)。先代後期より採用されたメーカーオプションのアラウンドビューモニターはスカイラインクロスオーバー同様、「駐車ガイド機能」、「フロント/リヤワイドビュー機能」、「ナビ連動フロントワイドビュー機能」を付加したものに進化している。オーテック特装車については先に発表された「ライダー」に加え、「VIP」も発表された(「VIP」は同年11月より販売開始)。「VIP」は最上級グレード「350ハイウェイスタープレミアム」をベースに、内装に黒本革仕様を採用すると共に、後席用読書灯、後席用100 V電源、乗降用補助ステップ等を追加装備し、本グレード専用のタイヤを装備した「エグゼクティブのために走る執務室」をコンセプトにした仕様である。また、後席を2人乗り(乗車定員4人)にするなどの個別注文にも対応する。2011年9月には既存の3列仕様(7人乗り)に加え、2列仕様(4人乗り)を追加発売した。
環境性能については、全車でJC08コールドモード対応の「平成17年基準排出ガス75%低減レベル(☆☆☆☆)」認定を取得すると共に、2.5L車は「平成22年度燃費基準+25%」、3.5L・4WD車は「平成22年度燃費基準+15%」、3.5 L・2WD車は「平成22年度燃費基準+10%(「350ハイウェイスタープレミアム」及びオプション装着により車両重量が2,000kgを超えた場合は平成22年度燃費基準+20%)」をそれぞれ達成。なお、前期型ではリアに「XTRONIC CVT」エンブレムが装着されていたが、2014年1月のマイナーチェンジ以降は装着されなくなった。サードシートはミニバンでは一般的な跳ね上げ格納シートから、背が高いミニバンとしては珍しいダイブダウン式格納へ変更された。給油口も右から左に変更された。そして、セカンドシート、サードシートの中央座席のシートベルトが2点式から3点式に変更された。
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